GENTE 1 (Fx COMICS)
![]() |
大人でないと出せない味 |
表紙がずっと気になっていて、とうとう購入。初オノ・ナツメです。
舞台の設定等は、本編にあたる別の本にあるようですが、知らなくても読めます。
イタリアの紳士でそれぞれ老眼鏡をかける程の年齢の人たちが登場人物ですので、若さもなく、熱さもなく、勢いもありません。
実に淡々と過ぎていきます。
でも、その今までの人生の積み重ねを感じさせる人物像がとてもいいです。
読み返したくなる1冊です。
![]() |
読み返すほど味の出る短編集 |
独特なタッチの漫画家さん、オノ・ナツメのリストランテとその従業員たちの物語です。
が、書評・レビューの前に書いておきますが、この作品は「リストランデ・パラディーゾ」という作品の外伝シリーズです。ですので、もとの作品である「リストラんデ・バラディーゾ」を読んでいないとわかりづらい部分やそれぞれのキャラのバックボーンたるものキャラクター造詣が一部薄く見えてしまう可能性が非常に高いです。というのも、自分も本家の「リストランデ・パラディーゾ」を読んでいなくて、いきなりこの作品を買ってしまったので、最初はちょっと??な部分もあったし評価も低くつける予定でした。
しかし、外伝であるということをさっぴいて読んでみて、しかも二回、三回と読み直すと表現が古いですが、するめのように噛めば噛むほど味がでる漫画であるという風に評価を改めました。ですので、できれば先に本伝を読まれるか、そうか本書からいきなり読む場合は繰り返し読んでいただくことをおすすめします。もしそうするのであれば、逆にかなりいい評価の作品になると思います。
主人公というか主要人物は、ロレンツォというオーナーがローマで開店させたリストランテの従業員たち。
彼らには、オーナーの奥さんの好みから、紳士であることと、もう一つの共通ポイントがありました。それは、紳士でメガネをかけていること(老眼鏡必須というのは作中でも出る冗談ですが、まさにそんな感じです)。まぁ、そのあたりが本編を知らない人にはキャラの見分けが最初できないことの一因にもなっているのですが、全員がおじさんで紳士でメガネをかけています。漫画世界にメガネ属性というものがありますが、この漫画においては登場人物が全員オジサン・メガネです。オジサン属性、メガネ属性の人であればそれだけでパラダイスな作品です。基本的に自分はこういうキャラ構成は他に「ヘルシング」の平野耕太くらいしか知りません。
さて、話もどして、そのメガネのオジサンたち、カメリエーレ長のクラウディオ、同カメリエーレのルチアーノ、ビート。ソムリエのジジ。シェフのテオ、ヴァンナと手伝いのマルツィオたち。その彼らの家族や友人たちの日々のスナップの短編連作集というのがこの作品です。それぞれのキャラクターがよくわかるようなエピソードを入れつつ、じっくりと一つのグループの全体像が浮き上がってくるこの作品は作者が楽しんで書いているんだろうなぁという感じがひしひしと伝わってきて、読んでいて読みごたえがあります。たぶん、ジェンテ1とタイトルがついているのでまだまだ続いていくと思うのですが、そういう部分で先が非常に楽しみです。
あと。オノさんの作品のこれは全体的な特徴かもしれませんが、非常に感性が日本人離れしているような気がします。台詞まわしやくどくどした説明を極端に省いて日常を切り取る手法はちょっと本当にタッチも含めて独特だと感じます。
![]() |
どんな時も |
久々に「あぁ読んでよかった・・」と思える作品でした。
ゆっくりと、どんな時間でもしっかり読める
リストランテを知っていようといまいと、関係なく
とても良い作品だとい思います。
![]() |
憂いの美学 |
イタリアを舞台に、4人のメガネ老紳士を
描いた作品です。リストランテ・パラディーゾと
つながる短編集なので注目。
本作では、メガネ老紳士達の日常が
中心でした。各エピソードで印象的なのは、
目線とセリフ。能弁ではなくても、選び抜かれた
セリフと目線が人間関係を物語っています。
劇的な展開こそありませんが、じわじわ
心にしみること間違いなしです。
![]() |
なんとなく手にとってしまう本 |
大きな事件もなく、抑揚のないストーリー展開
陰影の深いお洒落な絵。
「リストランテ・パラディーゾ」で若い女性の主人公ニコレッタを描くのに割かれていた労力が
老紳士一人一人に分かれて注がれた結果、
より大人向けの、穏やかでかつ影のある雰囲気の本になったようです。
読後感は大変穏やかで安らかで暖かいのですが、
登場人物は必ずさまざまな色の孤独や葛藤に縁取られています。
その影があるからこそ、この本は優しい話をただ一遍やり過ごすのではなく
何度でも読み返したくなる魅力を放っているように感じました。
今回はロレンツォ、ルチアーノとヴィート、あと少しだけテオに焦点が当たっていますが
それぞれが魅力を増して見えるように描かれており、次巻も楽しみです。


